第2回 被害軽減対策と今後の台風の性質について

・強風による被害を減らすためにできることは何でしょうか?
強風によって建物が被害を受ける場合には、外装材、特に開口部のガラスが弱点となっています。従いまして、まずその弱いところを守るということが大切になってくると思います。そのために風の力を受けても割れないようなガラスを使う。それからものが飛んできて当たっても割れないようなガラスを使う。もし破れてしまっても怪我をするような破片が飛び散らないようなガラスにする。あるいは大きな穴が開かないガラスを使用することが重要になってきます。

・今後発生する台風の性質はどのような変化が想定されますか?
昨今、地球の温暖化が騒がれていますが、シミュレーションの結果により、地球の温暖化が進むと日本の近くで発生する台風の性質がどのように変わるかということについて研究した結果があります。それを引用しますと、日本の近くにやってくる台風の強さが強くなる。かつその強くなる数が増えるというのが1つの結論になっています。
もう一つはこれまでの台風の経路が、今までよりも東側にずれるという結果があります。特に、去年千葉を襲った強い台風がありましたが、最近台風が関東や東北地方に上陸することもしばしば起こっています。
関東や東北地方では、これまで台風の上陸というのはあまり経験されたことがないと思いますが、建物も強い風にさらされていないので、弱い建物が多く残っていると考えられます。そうしますと強い台風が来た場合、弱い建物が壊れて、被害が増えます。
また。それにより強風で飛ばされるものも多くなって、飛散物による建物の被害も増えていくというようなことも起こると考えられます。
台風が今まであまり来なかった地域でも台風等の強風による被害に対する防備をしていただくということが大切なことになると考えています。