防災
自宅にいる時はもちろん、外出した時にでも、私たちの日常は、ガラスに囲まれています。雨や風、不快な外気から私たちを守り、快適な空間と居住性を提供してくれるガラス。しかしながら、災害時にはそのガラスが割れ、私たちを襲う凶器となってしまったことも悲しい事実です。だからこそ、ガラスを凶器に変えないためのガラスづくり…。その成果を、ここではほんの少しだけご紹介します。
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自然災害・人災を考える
最近頻繁に起こっている大きな地震、台風や竜巻による強風の被害などの災害は、不注意で大きな惨事に発展しかねません。
災害は発生を防ぐことができません。発生したときを考えて、被害を最小限に止める必要があります。
窓のガラスは生活になくてはならないものです。室内に自然の光をとりこみ、景観を楽しむことができるのは、透明なガラスがあるからです。風や外気から守る役割も果たしています。
しかしながら、ガラスは割れると鋭利な破片になり、私たちを脅かす存在に変わります。
人は突発的な災害から逃げ切ることはできません。起きた災害によって破れたガラスを浴びる可能性は誰にでもあります。
だからこそ、ガラスの対策を考えていく必要があるのです。
ガラスによる被害が考えられるケース

地震
4万人以上もの負傷者を生んだ阪神・淡路大震では、約1割がガラスによる被害であったと報告されています。
大地震の大きな揺れは、建物そのものの破壊、室内の家具の衝突、外からの飛来物など様々な理由でガラスを破壊します。
割れたガラスは鋭利なため、触れるのも危険な凶器となり、飛散するととても危険なものになります。また、避難時に大きな妨げとなります。

台風・竜巻(強風)
通常規模の台風では、ガラスが割れることは滅多にありませんが、規模が大きいと危険性はあります。
いつ大規模な台風が日本に来るかは予想できません。また、1999年に台風18号が愛知県地方を襲った時には、竜巻が突然発生しました。
台風の数倍もの強風によって割れたガラスにより、豊橋市内の小中学校で200人以上の児童、生徒が怪我をするなど、大きな被害を生みました。
台風や竜巻でなくとも、とても強い風が吹くと、飛来物によりガラスが割れる危険性が発生するのです。

日常生活
ガラスは透明なため存在に気づかずに突っ込んでしまったり、何らかの事故やトラブルによってガラスに衝突すると割れたりしてしまいます。そのガラスの破片で、大怪我や落下事故の原因となります。
また、日常でよくある物の接触などでガラスが割れれば、怪我をする危険性が高まります。
今日では、人体の衝突が予想される場所では、対策を講じておかないと、社会的責任を問われることにもなりかねません。
被害を最小限に抑えるためには
ガラスから始まる安全対策
しかし、ガラスに対策をと言っても割れないガラスはありません。では、ガラスによる被害は避けられないのでしょうか?
実は、防災を考えたさまざまなガラスがあるのです。
例えば、普通の板ガラスに比べ、強度があり割れづらいガラスや、割れても鋭利な破片が飛び散らないガラスなどがあります。
万が一の災害に備えた、このようなガラスを「防災ガラス」といいます。
災害にあっても、被害を最小限に抑えることができる。それが「防災ガラス」をお勧めする第一の理由なのです。
防災ガラスとは?
防災ガラスは次のような性能に優れています!
(1)脱落防止性能
飛散率が非常に小さい
飛散率とは、ガラスを強制的に破壊し、その時脱落した破片の総重量をガラス全体の重量に対する百分率(%)で表したものです。合わせガラスの場合、飛散率が格段に少なくなります。
出典:財団法人 日本建築防災協会「ガラス飛散防止性能検討業務 報告書 平成15年3月」より
最大破片の重さが軽い
合わせガラスに破壊後にさらなる変形を加えても、飛散率は2%程度。その破片も最大で約6~25g程度に納まっており、防災性能に優れていることが分かります。
一方フロート板ガラスの場合、破壊時に約50%、最終的には約60%が飛散。最大破片も約1800gと、非常に大きなものとなってしまっています。
出典:財団法人 日本建築防災協会「ガラス飛散防止性能検討業務 報告書 平成15年3月」より
(2)耐貫通性能
衝撃による破損が少ない
合わせガラスとフロート板ガラスの衝撃による破損状況を比較した上の写真をご覧ください。
フロート板ガラスは鋭い破片となってしまうのに対し、合わせガラスは衝撃に対しかなりの強度があることがわかります。
人体がガラスに衝突してしまう事故が発生しても、人体が貫通することはありません。ガラスによる大ケガや落下事故といった、被害の拡大を防止します。
(3)他にも、このような性能があります!
紫外線カット性能
中間膜は人体への有害な紫外線を99%以上カットします。家具やカーテンなどの変色、褪色防止にも有効です。
防犯性能
中間膜をより強靭で厚いものとすることで、バール等を使っても容易に貫通できない防犯性の高いガラスになります。窓からの侵入を許しません。
遮音性能
遮音性能に優れた中間膜の使用により、驚くほどの遮音性を実現。不快な騒音の侵入と室内の発生音の外部への漏れを防ぎ、快適な居住空間を確保します。
ガラスの耐震設計について
・ガラスができる限り割れないように、
⇒(1)サッシの変形とガラス、(2)ガラスが割れないための弾性シーリング材
・又、万一割れても飛散・脱落することがないように、
⇒(3)飛散防止に有効な「合わせガラス」や「網入板ガラス」
設計されていなければなりません。
その為、ガラスの設計施工については法律で規定されてます。
⇒(4)ガラスの耐震設計関係法規について
地震時に、ガラスができる限り割れないようにするには?

(1)サッシの変形とガラス
地震による建物やサッシのねじれや変形が、直接ガラスに作用しないようにサッシとガラスのすき間(クリアランス)を十分取り、ガラスがサッシ内で自由に移動・回転できるよう設計しなければなりません。
(さらに詳しく)
ガラス工事については、日本建築学会で定めた日本建築学会で定めた、ガラスの建築工事標仕様書があります。
JASS17:Japanese Architectural Standard Spesification 17
≫ 板ガラスの標準施工(PDFファイル 115KB/3ページ)

(2)ガラスが割れないための弾性シーリング材
パテなどの硬化性シーリング材を使用した場合、ガラスとサッシが硬化接着して、ガラスの移動や回転を妨げられガラスが割れてしまいます。従ってグレイジングガスケットや弾性シーリング材を用います。

(3)飛散防止に有効な「合わせガラス」や「網入板ガラス」
合わせガラスや網入板ガラスは万一ガラスが割れても、飛散脱落防止上とても有効です。合わせガラスは、強靭な中間膜により、万一割れてもガラス破片の飛散や脱落はほとんどありません。

(4)ガラスの耐震設計関係法規について
・3階以上の建築物の場合
【昭和53年10月の建設省告示第1622号】
屋外に面したはめころし窓のガラス施工の場合、硬化性シーリング材を使用しないように規制されました。
※これは昭和53年2月と6月の宮城県沖地震によって、ガラスの破損・脱落など被害を受けたガラス窓のほとんどが、硬化性パテ止めのはめころし窓であったことによります。
・地上高31mを超える建築物の場合
【昭和46年建設省告示第109号】
上記の規定によるほかさらに、帳壁はその高さのある一定の変形に対しても脱落しないことが定められています。
(さらに詳しく)
≫ 耐風圧・耐震設計関係法規(PDFファイル 2.21MB/18ページ)
(ガラス建材総合カタログ:ガラス技術資料編より)
建築基準法・建築基準法施行令・建設省告示
防災とガラスについての技術資料一覧
板ガラスの耐震設計(PDFファイル832KB/1ページ)
(ガラス建材総合カタログ:ガラス技術資料編より)
耐風圧・耐震設計関係法規(PDFファイル 2.20MB/4ページ)
(ガラス建材総合カタログ:ガラス技術資料編より)
建築基準法・建築基準法施行令・建設省告示
板ガラスの標準施工(PDFファイル 115KB/3ページ)
(ガラス建材総合カタログ:ガラス製品編より)
鏡・壁装ガラスの標準施工(PDFファイル200KB/4ページ)
(ガラス建材総合カタログ:ガラス製品編より)
ガラス防煙垂壁:スモークフェンスT(PDFファイル 352KB/3ページ)
(ガラス建材総合カタログ:ガラス製品編より)
耐震性能を向上させたガラス防煙垂壁です。
安全・安心ガラス設計施工指針増補版(PDFファイル 1.91MB/12ページ)
(ガラス建材総合カタログ:ガラス技術資料編より)
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