建築物省エネ法

本ページでは、建築物省エネ法に基づく一次エネルギー消費量の算出に必要な、ガラス製品の熱性能に関する検証資料を掲載しています。
設計時の製品選定や、省エネ性能の申請・評価にご活用ください。

建築物省エネ法とは?

建築物省エネ法は、建物のエネルギー消費性能を評価・向上させるために制定された法律です。
建築物に使われる断熱材や窓・ガラスなどの建材が、暖冷房エネルギー消費にどれほど影響するかを算出し、省エネ性能の基準適合を判断します。

開口部の評価方法(評価ルート)

住宅等の外皮(窓・開口部・床・壁など)を通した熱の出入りは、建物のエネルギー効率に大きく影響します。
とくに窓やガラスは面積が大きく、断熱等級や省エネ性能を評価するうえで重要なポイントとなります。
開口部やガラスなどの開口材料は、建築物省エネ法において下記の4つのルートのいずれかで性能を評価し、一次エネルギー消費量の計算に組み込みます。

評価ルート 方法
1 仕様に基づく性能値

「建具の種類」と「ガラスの種類」による組み合わせ※1

開口部の評価ルート1へ
2 ガラス単体の性能値

「建具の種類」と「ガラス単体の性能値(熱貫流率、日射熱取得率)」を入力する方法※1

開口部の評価ルート2へ
3 代表試験体サイズの測定値

窓全体の性能値を入力する方法。開口部(サッシ+ガラス)による試験値(JISA4710)もしくはWindEyeによる計算

4 実際に導入される窓の測定値

窓全体の性能値を入力する方法。WindEye※2による計算

※1:「建具の種類」と「ガラスの種類」の組み合わせ、もしくは「建具の種類」と「ガラス単体の性能値」により決定される開口部の熱貫流率及び日射熱取得率については、国立研究開発法人建築研究所で公開の「非住宅建築物のエネルギー消費性能の評価方法に関する技術情報ページ」によります。

※2:一般社団法人リビングアメニティ協会が運用するWindEye(窓の総合熱性能評価プログラム)による計算となります。

適合義務対象建築物に係る工事監理対応について

建築物省エネ基準の工事監理では、設計図書に明示された省エネ基準に係る材料や設備が仕様通りに工事が実施されているかどうかを確認することが求められています。 ガラスについては、評価ルート(仕様・試験値などの証憑)により、それぞれ確認方法が求められています。

評価ルート 方法 設計図書記載内容 確認項目 窓ガラスの
確認方法
ルート1 仕様に基づく性能値 「建具の種類」と「ガラスの種類」による組み合わせ ・建具の記号、サッシの種類(材質)、寸法
・窓ガラスの種類(ガラス建築確認記号
・施工部位
・ブラインドの有無
・庇の設置状況
・建具の記号、サッシの種類(材質)、寸法
・窓ガラスの種類(ガラス建築確認記号
・施工部位
・ブラインドの有無
・庇の設置状況
ガラスラベル等による確認
ルート2 ガラス単体の測定値 専用の評価式を使用 ・建具の記号、サッシの種類(材質)、寸法
・ガラスの熱貫流率・日射熱取得率、当該性能の試験方法※
・施工部位
・ブラインドの有無
・庇の設置状況
・建具の記号、サッシの種類(材質)、寸法
・ガラスの熱貫流率、日射熱取得率、当該熱性能の試験方法
・施工部位
・ブラインドの有無
・庇の設置状況
ガラスラベル等による確認
ルート3 代表試験体サイズの測定値 開口部(サッシ+ガラス)による試験値(JISA4710) もしくはWindEyeによる計算 ・建具の記号、寸法
・窓の熱貫流率・日射熱取得率、当該性能の試験方法※
・施工部位
・ブラインドの有無
・庇の設置状況
・建具の記号、寸法
・窓の熱貫流率・日射熱取得率、当該性能の試験方法
・施工部位
・ブラインドの有無
・庇の設置状況
WindEyeによる計算結果等
ルート4 実際に導入される窓の測定値 WindEyeによる計算

※熱貫流率、日射熱取得率等の熱性能に係る試験方法。ガラスの場合、熱貫流率(JIS R3107)、日射熱取得率(JIS R3106等)。

省エネ適合性判定のフロー

省エネ基準適合判定や検査申請書には、実際に建築物に使用するガラス仕様を記載していただく必要があります。

省エネ適合性判定のフロー図

※熱貫流率、日射熱取得率等の熱性能に係る試験方法。ガラスの場合、熱貫流率(JIS R3107)、日射熱取得率(JIS R3106等)。