ガラス用語集

さ行
採光
外部から太陽光などの明かりを取り込むこと。建築物における「窓」の最も基本的な機能である。
採光できるガラスが必ず透明かというと決してそうではなく、不透明にしてプライバシーを維持しながら、採光したい、というニーズには次のようなガラスがある。
  1. すりガラス: ガラス表面に粗い研磨加工を行い、不透視としたガラス
  2. 型板ガラス: 板ガラス製造時に型を押し付け模様をつけたガラス
  3. 合わせガラス: 合わせガラスの中間膜に不透視の素材を挟み込んだガラス
  4. 調光ガラス: 液晶を応用し、透明/不透明をコントロールできるガラス「UMU」
採光性(可視光透過率)
採光性は可視光透過率によって評価される。可視光透過率とは、人間の目に光として感知できる電磁波が、透過する割合のこと。
可視光透過率が大きいものほど採光性が高く、昼光を室内に取り入れて、室内を明るくすることができる。
シール材
硬いシーリング材でガラスを固定してしまうと、地震による振動でガラスが破損する危険がある。
そこで、弾性シーリング材を用いてガラスを拘束することで、耐震性能が向上する。
JIS(日本工業規格)
ガラス工事関連での、JIS(日本工業規格)には、以下PDFに示すようなものがある。 ≫ 総合カタログ 技術資料編「ガラスとJIS」(PDFファイル 1310KB/2ページ)
CPSC
Consumer Product Safety Commissionの略称。
アメリカでは1977年連邦規制として公布されたCPSC(Consumer Product Safety Commission)の罰則を伴う基準があり、ヨーロッパ諸国でも法的拘束力はないが使用基準が守られている。これらの国々では部位によって強化ガラスや合わせガラスを使用するように定められている。
紫外線(UV)カットガラス
日焼け低減のために紫外線の透過率を低減したガラス。
紫外線はエネルギーが強く、殺菌作用などの有用な効果があるが、反面、日焼けやひどい場合は皮膚ガンを引き起こす原因となる。
安全性に優れ、かつ日焼けを抑えることができるガラスである。

※UV : ultra violet(紫外線)  IR : infrared rays(赤外線)
次世代省エネ基準
住宅の建築における省エネの重量な目安が、「次世代省エネ基準」。 住宅に使われるエネルギーの中で、住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する、建築主の判断の基準・設計及び施工の指針を示している。
これらの基準は強制力を伴っていないが、たとえば住宅金融公庫の融資において、いずれかの基準を満たすと、最も低い基準金利の適用や一定額の割増融資が受けられる。

次世代省エネ基準
遮熱
主に日射による放射熱の通過を防ぐこと。
断熱と同様に、省エネ効果に影響するガラスの重要な性能には、例えば

  1. 夏は冷房効果を高めるために日射を遮った方が良い
  2. 冬は暖房費削減の為に日射を取り込んだ方が良い


などのトレードオフの関係が想定されるので、年間を通じた省エネ効果や窓の向きなどを考慮する必要がある。
遮熱性能(日射熱取得率・日射侵入率)
遮熱性能は、日射熱取得率または遮蔽係数によって評価される。
日射熱取得率は、ガラス窓に入射した日射熱が、室内側へ流入する割合を表す。日射侵入率とも呼ばれる。 また、遮蔽係数は3ミリの厚さのフロート板ガラス(透明)の日射熱取得率を1とした場合の、日射熱取得率の相対値。 日射熱取得率が大きいものほど日射熱を室内に取り入れるので、暖房を重視する地域・部屋に適している。
逆に、日射熱取得率が小さいものほど日射熱を遮蔽するので、冷房を重視する地域・部屋に適している。
質量則
緻密で均一な材料からできている壁体の透過損失は、その壁体の単位面積当りの質量(m)と、音の周波数(f)の積の対数値との間の直線関係がある。
この関係を質量則という。
単位面積当りの質量が大きいほど、あるいは周波数の高い音ほど、透過損失が大きく、遮音効果があることになる。 例えばガラスの厚さを2倍にしたとすると、透過損失は5.4dB大きくなり、その分、遮音性が向上したことになる。
住宅性能表示
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき、住宅の性能を表す共通のルールの制定、第三者機関による評価制度の整備、工事請負契約等への反映、紛争処理体制の整備を行うことによって、新築住宅の基本的な性能を具体的に示すことを目的とした制度のこと。

住宅性能表示
住宅用窓ガラス
住宅でガラスが利用される場所で最も多いのが窓である。窓に求められる基本的な機能は採光であり、住宅の中に外の光を取り込む。
ガラスや窓に求められる機能は、 (1)大開口(2)省エネ効果(3)安全性(4)防音効果(5)防犯 (6)断熱、(7)遮熱、(8)UVカット (9)防露  など多岐に渡っている。→ビル用ガラス
瞬間調光ガラス(UMU)
2枚のガラスの間にある液晶シートが電気のON/OFFに反応し、スイッチひとつで透明ガラスから不透明ガラスに切り替えられる調光ガラス。
西日や直射日光を拡散させる効果や、室内の間仕切り、さらにはホームシアターの映像スクリーンなど、さまざまな用途に使用可能。

商品名で探す「ウム(瞬間調光ガラス)」
省エネ
一般的に住宅、ビルなどにおいて窓ガラスは熱の出入りの多い場所。この開口部での熱の流入・流出を抑えることは省エネルギーの観点からすると重要なポイントとなる。窓ガラスにおいての省エネを実現させるために、断熱性能の高い複層ガラス、真空ガラスが採用されている。

上下温度分布
室内の上下温度差の分布のこと。 上下温度差があると、温熱的快適性を妨げることがある。 ISOの基準では、床上0.1mと1.1mの位置での温度差が3度以内となることを推奨している。
真空ガラス採光
複層ガラスの2枚のガラスの間の空気層を真空にして、断熱、防音性能をより高めた商品。
日本板硝子社が「スペーシア」という商品名で販売。
通常の住宅用の複層ガラスは12mm以上の厚みとなるため、専用の窓サッシを必要としていたが、真空ガラスの厚みはガラス3mm+中空層(真空)0.2mm+ガラス3mmなので、既存の窓サッシをそのままに、ガラスのみを交換するだけで、開口部の断熱性能を高めることができる。

ガラスの種類別「真空ガラス」

商品名で探す「スペーシア」
親水性
接触角θe が小さく、水がなじみ易い性質を親水性という。 逆は撥水性。
親水性が高いガラスは、ガラス表面に水滴ができにくくなるので、防曇の効果(ガラスが曇って、視界が遮られることを防ぐ効果)が期待できる。自動車のフロントガラスの車内側の曇り防止に応用されている。

※親水性⇔撥水性

SMASH
SMASH(Simple Analysis System for Housingb Air-Conditioning Energy)
建設省の監修のもとに「財団法人住宅・建設省エネルギー機構」が開発した住宅用の熱負荷計算プログラム。従来は大型計算機用のプログラムでしかできなかった冷暖房にかかるエネルギーの詳細な計算をパソコンで可能にした。
赤外線(IR)カット
ガラスを透過する赤外線、および近赤外線を低減し、熱暑感を低減すること。

※IR : infrared rays(赤外線)  UV : ultra violet(紫外線)
線入りガラス
ガラス素板を引き出す際に、金属網または金属線をガラスの中に封入し、製造したガラスのこと。
線入りガラスは金属線が平行に入っているもので、意匠的な意味合いでビルの窓などで採用されるが、一般的に防火ガラスとしては使用できない。

ガラスの種類別「板ガラス」

商品名で探す「ユニワイヤー(線入り板ガラス)」
洗浄
ガラスの表面から汚れを除去し、清浄な表面を得ること。
表面加工処理の前工程や出荷前に行われる。
騒音レベル
騒音レベルとは、音をJIS(日本工業規格)に定める、普通騒音計または精密騒音計を用いて測定された値をいい、単位はデシベル(dB)で表わします。
騒音計
音の大きさについての耳の感覚は、周波数の成分によって感じ方が異なる。
そのため騒音計には聴覚の周波数特性に近似させた周波数補正回路が内蔵されており、騒音レベルでは人間の耳の感覚に最も近い補正回路を使う。
ソーラーコントロールガラス
日射光の透過を制御するガラスの総称。
太陽の光線には紫外線~可視光線~赤外線が含まれる。ガラスを通した光で暖かさや暑さを感じるのは、主に赤外線を感じるため。 従って、赤外線を反射や吸収する事によって、ガラスを透過する光の中から除いてやれば、感じる暑さを低減できる。
これらの機能を持ったガラスをIR(赤外線)カットガラス、熱線反射ガラス、熱線吸収ガラスなどと呼びます。あるいは放射熱を遮る意味で、Low-Eガラスとも呼ばれる。